ビジネスを立ち上げようとしている人や、会社を経営している人の中には、ストックオプションの導入を検討している人もいるでしょう。
ただ、このシステムを導入するためには、仕組みや特徴を正しく理解しておかなければなりません。
そこでこの記事では、ストックオプションとは一体どのような制度なのか、導入する意味はあるのかということについて詳しく解説していきます。
ストックオプションって一体何?
ストックオプションというのは従業員に対する制度で、この制度が与えられた従業員は一定期間の間、定められた価格で自社の株を取得することができます。
この制度を活用し、株価が上がったタイミングで売却をすれば給料に加えて売却益を得ることができるため、従業員にとってはかなりありがたい仕組みとなっているのです。
種類があるって本当?
ストックオプションには、通常型と株式報酬型の2種類があります。
では、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
通常型
通常型は、簡単に言ってしまうと株価が上昇しないと従業員は利益を得ることができません。
そのため、通常型を活用している従業員は、何としてもで株価を上げようとモチベーションを高めるのです。
従業員のモチベーションを高めることができれば、会社としての業績も上がっていきますので、ウィンウィンの関係を築くことが可能になります。
株式報酬型
株式報酬型というのは、権利行使額を1円に設定するタイプのストックオプションを差します。
権利行使額が1円ですので、ほぼタダで手に入れられるといっても過言ではありません。
税金がかかるって本当?
ストックオプションで一定額以上の利益を得た場合、税金がかかってきます。
具体的には、
・所得税
・住民税
を払わなければならなくなるのです。
また、税制適格と税制非適格が存在し、それぞれで適用される税制が変わってきます。
税制適格
税制適格の場合は、保有している株式を売った時にだけ税金がかかります。
税率は通常の株式投資と同じで、20.315%となっています。
また、売却をして利益を得た際には確定申告を行わなければなりません。
税制非適格
税制非適格というのは、
・権利を行使したとき
・売却したとき
に税金がかかります。
このシステムは若干複雑ですし、場合によっては税率が高くなってしまうこともありますので、正しい知識を身に着けておくことを進めします。
ストックオプションを導入する意味って何?
では、企業がストックオプションを導入する意味とは一体何なのでしょうか。
採用の際に役立つ
ストックオプションを導入しておくことで、この制度に興味を持った優秀な人材が集まりやすくなります。
なぜなら、インセンティブのような働きをしてくれるからです。
「より多く稼ぎたい」
「頑張った分だけ見返りが欲しい」
と考えているアクティブな人材を集めたいと思っている企業は、導入を検討してみると良いでしょう。
既存従業員のモチベーションが上がる
先ほども少し解説しましたが、ストックオプションを制度として取り入れると、既存従業員のモチベーションを上げることも可能になります。
インセンティブの制度がなく、固定報酬制度のみだった場合、既存従業員のモチベーションが下がってしまっている可能性が高いです。
ストックオプションを導入することで、プラスαの収入を得られる機会を与えることができますので、モチベーションを上げることができるのです。
導入を検討している企業が考えるべきこと
次に、ストックオプションの導入を検討している企業が考えるべきことについて詳しく解説していきます。
株価が下がると逆効果
ストックオプションを導入し、株価が少しずつ上昇すれば会社全体の士気を高めることができます。
しかし、株価が下がってしまうと従業員のモチベーションが大幅に低下してしまうことが考えられますので、株価が下がるリスクやその場合の対処法について考えておかなければなりません。
ルールが曖昧だと揉める
ストックオプションを導入する場合は、基準やルールを明確に定めておくことが大切です。
基準が曖昧で、社内にストックオプションを付与されている人とそうでない人が混ざっている場合は、トラブルのもとになってしまう可能性があります。
会社の業績を上げるために導入した制度が原因でトラブルが起こってしまっては元も子もありません。
このようなことから、様々なリスクや懸念点を洗い出し、慎重に設定していくことが重要だと言えます。
まとめ
ストックオプションというのは、自社株を一定期間の間定められた金額で購入できる制度です。
この制度を導入することによって、社員のモチベーションを高めながら業績向上を狙っていくことが可能になります。
ただし、ストックオプションを導入する場合に考えておくべきデメリットや注意点などもいくつか存在しています。
安易な考えでストックオプションを導入してしまうと、従業員とトラブルになったり、逆効果になってしまったりする可能性が高くなりますので注意が必要です。