比較的新しい金商品として「デリバティブ」というのがあります。
この言葉自体は聞いたことがあっても、詳しく説明することはできないという人はたくさんいるでしょう。
そこでこの記事では、デリバティブ取引の種類とリスクについて詳しく解説していきます。
デリバティブ取引って一体何?
デリバティブ取引というのは、昔から存在している株式や債券、通貨などから派生した取引手法のことを差し、レバレッジを利かせて大きな取引を行うことが可能になります。
ただ、より多くの利益を狙いやすくなる一方で、損失も大きくなりやすいため注意が必要です。
デリバティブ投資の種類とは?
デリバティブ投資には、大きく分けると3つの種類があります。
ではそれぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
先物取引
先物取引というのは、あらかじめ価格を決めておき、将来の決まった期日にその価格で売買を行うという投資スタイルです。
このように、あらかじめ価格を決めておくことで予測しにくいリスクによる大幅な価格の下落に対応することができますので、大きな利益を得やすくなります。
また、先物取引は証拠金をベースとした取引になりますので、場合によっては損失が拡大し、「追証」を求められることがありますので注意が必要です。
スワップ取引
スワップ取引というのは、通常「換える」という意味を差すのですが、デリバティブ取引におけるスワップというのは、「支払い義務を交換する」という意味を差します。
例えば、
・通貨スワップ
・金利スワップ
などがあり、このような取引は金利が変動するリスクに対応すべく生まれた取引手法と言われているのです。
オプション取引
オプション取引というのは、決められた価格で将来取引できる権利を売買することを差します。
先物取引と非常に似ている取引手法になるのですが、異なる取引スタイルですので間違えないようにしましょう。
デリバティブ取引にはどんなメリットがある?
では、デリバティブ取引を行うことで、投資家は一体どのようなメリットを得ることができるのでしょうか。
臨機応変に立ち回れる
デリバティブ取引を行うことで、相場が下落したときのリスクに対応しながら資産を運用することが可能になります。
投資に絶対はなく、相場を100%読み切ることは不可能ですので、将来の相場がどうなるかを正確に把握することはできません。
しかし、デリバティブ取引を行うことで、今の価格で将来の決まった期日に取引ができるため、臨機応変且つ賢く立ち回れるようになるのです。
レバレッジをかけられる
先物取引ではレバレッジをかけることが可能です。
レバレッジをかけることで、元手が少なくても大きな取引を行えるようになりますので、効率的に利益を狙っていくことが可能になります。
レバレッジが利かせられない投資を行う場合、対象の金融商品売買にかかる費用を全額用意しなければなりません。
資金に余裕がある人であれば問題ないかもしれませんが、大金を躊躇なく投資に回せる人はそこまで多くないでしょう。
デリバティブ取引なら、資金があまり用意できない人でもリスクを取って運用していくことが可能になるのです。
デリバティブ取引にはどんなデメリットがある?
次に、デリバティブ取引をする上で覚えておくべきデメリットについて詳しく解説していきます。
資金がマイナスになることもある
デリバティブ取引に限った話ではありませんが、証拠金をベースにした取引を行う場合は資金がマイナスになることがあります。
株式投資を行う場合は、どれだけ大損をしたとしても資金が0以下になることはありません。
デリバティブ投資を行って資金がマイナスになると、そのマイナス分を「追証」(追加入金)にて賄わなければなりません。
ただ、場合によっては追証がかなり高額になり、にっちもさっちもいかなくなってしまうことがあるのです。
初心者には理解が難しい
この記事を見て感じた人がいるかもしれませんが、デリバティブ取引というのは仕組み自体は簡単です。
ただ、初心者にとっては難しく感じてしまうこともあるでしょう。
なぜなら、レバレッジをはじめとした様々な専門用語が飛び交いますし、決済タイミングなども通常の取引とは異なります。
デリバティブ投資への理解が深まっていない段階で挑戦してしまうと、知らないうちに損失が膨らんでしまうことがありますので、慎重に投資を行っていきましょう。
まとめ
デリバティブ投資では、レバレッジを利かせて少額で大きな取引を行えるようになります。
将来相場が下落したときのリスクを想定して、上手に立ち回ることも可能になりますので、やり方によっては利益を膨らませることが可能になるのです。
ただし、デリバティブ投資にはいくつかのデメリットがあり、初心者でも簡単に稼げる投資とはいいがたいです。
これから挑戦しようと考えているのであれば、今回紹介したことをしっかりと頭に入れて、慎重に行動していくことをおすすめします。