タックスヘイブンという言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。
とはいえ、言葉は聞いたことがあっても、意味を知らないという人もたくさんいると思います。
そこでこの記事では、タックスヘイブンとは一体何なのかということについて、詳しく解説していきます。
タックスヘイブンとは一体何?
タックスヘイブンというのは、税を回避する場所という意味があります。
中には、
「税金天国」
と捉えてしまう人もいますが、これは間違った捉え方ですので、注意してください。
また、ニュースなどで取り上げられることが多いため、
タックスヘイブン=犯罪
と認識してしまう人もいますが、これ自体は違法ではありません。
ただし、どうしても合法的に税金を逃れることができてしまうため、注目の的になっているのです。
どうやって使うの?
では、そんなタックスヘイブンというのは、具体的にどのように活用するのでしょうか。
1:海外に本社を設立する
まずはタックスヘイブンとされている国や地域に会社を設立します。
ここで注意すべきなのは、必ずしも新規で会社を作らなくても、移転をすれば税を回避することができます。
海外に会社を作る、あるいは移すと聞くと、あまり現実味がなく感じてしまうかもしれませんが、
- 投資家
- エンジニア
など、働く場所が限定されない仕事で独立をしている人もいるでしょう。
このような場合、基本的にはどこに会社があってもいいわけですから、海外に会社を作るということも可能になりますよね。
2:ペーパーカンパニーを作る
次は、タックスヘイブンにペーパーカンパニーを設立するという方法です。
ペーパーカンパニーというのは、言葉通り、書類上だけの会社という意味です。
実際に活動などはしておらず、別名、
- ダミー会社
- 幽霊会社
などと呼ばれることもあります。
ただ、ペーパーカンパニーを作ることは合法なのですが、税を逃れるために登記することは違法ですので注意してください。
3:オフショア口座開設
次は、オフショア口座をタックスヘイブンに作るという方法です。
こう聞くと、
「オフショア銀行ってそもそも何?」
という疑問を抱くでしょう。
オフショア銀行というのは、簡単に言ってしまうと外国の銀行口座のことです。
そうすることで、税の優遇措置を受けられるだけではなく、国内の銀行よりも高い利率を受けることができるのです。
更に、日本の口座しか持っていない人では購入できない金融商品なども買えるようになるため、たくさんのメリットがあるのです。
タックスヘイブンを使うことのメリットは?
では、そんなタックスヘイブンを使うことのメリットとは一体何なのでしょうか。
ビジネスをスピーディーに進められる
まずはビジネスをスピーディーに進められるという事です。
成功する起業家というのは、スピードを物凄く意識しています。
アイディアが浮かんでから、
「こうした方がいいかな」
「ああした方がいいかな」
といちいち悩みません。
ただ、国内で事業を立ち上げようとすると、どうしても手続きなどに時間がかかってしまいます。
しかし、タックスヘイブンを使うことで、
- 会社の設立
- 口座の開設
などをスムーズに進めることができるのです。
究極の税金対策になる
タックスヘイブン最大のメリットは、究極の節税対策になる事です。
国内に会社があったとしても、税金対策をすることは可能です。
しかし、国内でできる税金対策には限度があり、この限度を超えてしまうと脱税としてみなされてしまいます。
ただ、タックスヘイブンを使うことで、合法的に大幅な税金対策が可能になりますので、経営者からするとメリットが大きいのです。
マイナスイメージが付いている理由は?
タックスヘイブンと聞くと、マイナスのイメージを持ってしまう人が多いです。
では、なぜタックスヘイブンにマイナスイメージが定着してしまっているのでしょうか。
脱税に繋がる
タックスヘイブンを活用されてしまうと、日本の税務署が資金の流れを追うことが困難になります。
そのため、場合によっては脱税に繋がってしまう事があり、このようなニュースが良く報道されるため、マイナスのイメージを持ってしまう人が多いのです。
マネーロンダリングに活用される
タックスヘイブンというのは、税金を逃れるためだけに活用されるのではなく、マネーロンダリングに活用されてしまう事があります。
マネーロンダリングというのは、別名資金洗浄とも呼ばれ、犯罪で使われたお金を綺麗にする作業のことを指します。(水で洗い流すという意味ではない)
これは、金融庁が問題している事でもあり、このような情報を知っている人からすると、
タックスヘイブン=グレーゾーン
というイメージになってしまうのです。
まとめ
タックスヘイブンというのは、税金を逃れられる土地として有名です。
また、タックスヘイブンを活用する方法はいくつか存在し、どれもそこまで難しくはないのです。
ただし、その性質上、どうしても脱税やマネーロンダリングに活用されてしまう事もあり、世間ではマイナスイメージを持たれています。