景気の悪化や後継者不足が顕著になっている現代においては、M&Aが盛んにおこなわれています。
海外ではこれまでもたくさんのM&Aが行われてきたのですが、日本でM&Aが流行り始めたのは最近の話です。
そのため、中にはM&Aの意味について疑問を抱えている人も多いでしょう。
そこで今回は、M&Aの意味やM&Aが流行っている理由について、詳しく解説していきます。
最近流行りのM&Aって一体何?
M&Aというのは、簡単に言ってしまうと企業の合併と買収を意味します。
基本的には、
・株式の譲渡
・事業の譲渡
・合併
・会社分割
などをM&Aと呼ぶのですが、場合によっては業務提携や資本提携もM&Aに分類されることがあります。
買収側のメリットって何なの?
次に、M&Aを行う側、つまり買収する側のメリットについて詳しく見ていきましょう。
既にあるシステムで事業を展開できる
M&Aを行って他社を買収することで、既にあるシステムを使って事業を展開していくことが可能になります。
通常、新規事業を行いたいと思ったら、自分で仕組みを作っていかなければなりませんが、既にその仕組みを持っている会社を買収することができれば、かなり効率的に事業をスタートできるのです。
節税効果がある
買収先企業が繰越欠損金を抱えていた場合、買い手側がそれを引き継ぐことになります。
損失を引き継ぐわけですから、一見デメリットのようにも見えますが、赤字が出ている企業を買収することで節税効果を得ることができますので、メリットと考えることもできるのです。
買収側のデメリットって何なの?
次に、買収する側のデメリットについて詳しく見ていきましょう。
必ず成功するとは限らない
無事に企業を買収できたとしても、100%売り上げを上げられるかと言われるとそういうわけではありません。
場合によっては、相乗効果を狙った買収したにもかかわらず、思うような結果が出なかったり、逆に損失が出てしまったりして、
「買収しなきゃよかった」
という状態になってしまうこともあるのです。
従業員に不満を持たれる可能性がある
企業を買収する場合、基本的には従業員も引き継がれます。
従業員側からすると、経営者が変わり、運営母体が変わるわけですから、今までの働き方を変えなければならなくなります。
そうなると、従業員が不満を持つようになりますので、モチベーションが低下し離職率の増加に繋がってしまうのです。
売却側のメリットって何なの?
次に、売却する側のメリットについて詳しく見ていきましょう。
資金が手に入る
企業を売却することで、ある程度まとまった資金が手に入ります。
もちろんその企業の業績や成長性などによって大きく金額変わるため、一概に「まとまった資金が入る」と断言することはできません。
ただし、成長性がない企業はそもそも買収対象に入らないため、ある程度高額の売却益を得られる可能性が高くなるのです。
経営者はその売却益を使って新しい会社を作ることも可能になりますので、高みを目指して挑戦を続けていくことが可能になります。
従業員の雇用を守ることができる
経営者になると、自分のことや会社のことだけではなく、従業員のことも考えなければならなくなります。
ただ、経営が回らなくなると従業員の雇用を守り切れなくなってしまうこともありますよね。
M&Aによって企業を売却することで、従業員の雇用を守ることができるため、経営者として最低限の役割を果たすことができるのです。
売却側のデメリットは?
では、M&Aによって企業を売却することのデメリットとは一体何なのでしょうか。
従業員への扱いが雑になることもある
会社を売却すると、経営権が自分から売却先の企業に移ります。
売却先の企業がかなりホワイトで、経営者の考えがしっかりしている場合は従業員が気持ちよく働ける環境を整備してもらえるでしょう。
しかし、従業員を駒として思っていないような企業に売却してしまうと、従業員への扱いが雑になってしまう可能性があるのです。
経営者が「社長」から降ろされることもある
会社を他社に売却した場合、雇われ社長として業務を遂行させてくれる場合もありますが、社長という役職を下ろされてしまう可能性もあります。
経営権が相手に移るわけですから、どのような決定を下されても文句は言えません。
ただ、少なからず寂しさを覚えることはあるでしょう。
このようなデメリットを受けて、会社から去っていく創業者というのも比較的多くいますので、売却の際は覚悟が必要です。
まとめ
M&Aというのは、企業同士の合併や買収のことを差します。
買収する側は、相手の企業が持っているシナジーを自社に取り込むことができますし、節税効果を得ることもできます。
売却する側は資金を手に入れることができますし、経営状態を改善できる可能性も高くなるのです。
それぞれにメリット、デメリットがあるM&Aですが、慎重に行わないと両社にとって不利益となってしまうため、慎重に話し合いを進めていくことが大切と言えます。